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部下から「会社を辞めたい」と申し出があったとき、管理者はすぐに引き止めるべきでしょうか。
私は、まず「なぜ辞めたいと思ったのか」を聞くことが大切だと考えています。
退職を考えるようになったきっかけは何だったのか。仕事の内容なのか、人間関係なのか、体調や家庭の事情なのか。
本人の話を聞き、管理者として協力できることであれば、解決に向けて取り組みます。
しかし、部下が管理者に退職を申し出た時点で、本人はすでに長い時間悩み、ある程度の結論を出していることが多いものです。
その決意が揺るがないのであれば、無理に引き止めるのではなく、これまでの働きを労い、次のステップへ進むための可能性を示してあげる。
それも、同じ職場で働いてきた仲間としての務めだと私は思います。
最初に退職理由を聞く
部下から退職の申し出を受けたとき、管理者が最初にするべきことは、会社側の都合を伝えることではありません。
「どうして辞めるのか」
「何がきっかけだったのか」
「いつ頃から考えていたのか」
まずは本人の気持ちを落ち着いて聞くことです。
ここで大切なのは、退職を思い直させるために質問するのではなく、本人が抱えてきた悩みを理解するために聞くことです。
管理者が最初から引き止めようとすると、本人は本当の理由を話せなくなってしまいます。

解決できる問題なら管理者として動く
退職理由が、業務量や配置、人間関係など、管理者の協力によって改善できる問題であれば、私は解決に向けて取り組みます。
本人が本当は仕事を続けたいと思っているにもかかわらず、職場の問題によって辞めざるを得ないのであれば、管理者にはできることがあるはずです。
ただし、簡単に「何とかするから残ってほしい」と約束してはいけません。
実際に何ができるのかを考え、本人に具体的な対応を示す必要があります。
口先だけの引き止めでは、本人の信頼をさらに失うことになります。
退職の申し出をするまでに何度も悩んでいる
部下が管理者に「辞めたい」と伝えることは、決して簡単なことではありません。
申し出をするまでに、本人は何度も悩み、考え直し、それでも退職するという結論に至っている場合が多いものです。
そのため、管理者が少し話しただけで決意が変わるとは限りません。
会社にとって必要な人材であれば、引き止めたい気持ちは当然あります。
しかし、会社の事情だけを押しつけて本人の決意を否定することは、その人の人生を尊重する対応とはいえません。

無理に引き止めることが本人のためとは限らない
「あなたが辞めたら困る」
「もう少し頑張ってみないか」
「今辞めても次の仕事は見つからない」
このような言葉は、管理者にとっては引き止めのつもりでも、本人には重い負担になることがあります。
本当に本人のことを考えるのであれば、退職を止めることだけが正解ではありません。
本人の意思が固いのであれば、その決断を尊重し、少しでも前向きな気持ちで次の道へ進めるように送り出すことも必要です。
これまでの働きをきちんと労う
退職することになったとしても、その人が会社で働いてきた時間や実績までなくなるわけではありません。
「今まで本当によく頑張ってくれた」
「あの仕事では、とても助けてもらった」
「あなたがいてくれたから、乗り越えられたことがあった」
このように、本人が会社に残してくれたものを具体的に伝えることが大切です。
最後にどのような言葉をかけられたかによって、その人が会社で働いた年月の印象は大きく変わります。
退職する人に感謝を伝えることは、管理者としてだけでなく、一緒に働いてきた仲間として当然のことだと思います。
次のステップに向かう可能性を示す
退職を決めた本人も、次の生活に不安を感じています。
新しい仕事が見つかるのか。新しい環境でやっていけるのか。自分の決断は間違っていないのか。
そのような不安を抱えている人に対して、管理者だからこそ伝えられることがあります。
本人が仕事を通じて身につけた能力、成長した部分、次の職場でも生かせる強みを伝えることです。
「あなたには、このような強みがある」
「ここで経験したことは、次の仕事でも必ず役に立つ」
そう伝えることで、本人は少しだけ前を向けるかもしれません。
退職する人も、最後まで大切な仲間である
社員は、会社の所有物ではありません。
一人ひとりに生活があり、家族があり、それぞれの人生があります。
会社を辞めるという選択をしたからといって、急に関係のない人になるわけではありません。
退職する最後の日まで、その人は同じ職場で働いてきた仲間です。
辞める人に対する管理者の態度を、残る社員たちも見ています。
退職者を冷たく扱う会社では、残った社員も安心して働くことはできません。
人を大切にする会社かどうかは、入社した人への対応だけでなく、退職する人への対応にも表れます。

まとめ
部下から「辞めたい」と言われたとき、私はまず、その理由ときっかけを聞きます。
管理者として協力できることであれば、解決に向けて取り組みます。
しかし、本人が十分に考えたうえで退職を決意しているのであれば、会社の都合だけで無理に引き止めるべきではありません。
これまでの働きを労い、その人が持っている強みや可能性を伝え、少しでも前向きな気持ちで次のステップに進めるように送り出す。
それが、一緒に働いてきた仲間としてできる最後の支援であり、管理者に求められる誠実な対応だと私は考えています。



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