SHIN LIFE DESIGN

私は須藤石材の八王子支店長として、約20年間にわたり支店を運営してきました。
八王子支店は、年間売上約8億円から10億円を超える支店へ成長し、全30店舗の中でトップの成績を残しました。
そして、私が支店長を務めていた期間は、一度も年間ノルマを落としませんでした。
この結果だけを見ると、優秀な営業社員が最初から集まっていたように思われるかもしれません。
しかし、実際は違います。
私が営業社員を採用するときは、営業経験者を積極的には採用しませんでした。
経験よりも、その人が素直に学べるか、お客様の話をきちんと聞けるか、仲間と協力できるかを重視していました。
売上だけを追わせなかった
営業部門では、売上数字だけで社員を評価してしまいがちです。
もちろん、会社にとって売上は重要です。
しかし、数字だけを追わせると、社員は目の前の契約を取ることばかり考えるようになります。
私は、契約に至るまでの行動を細かく見ていました。
お客様の話をどれだけ丁寧に聞いたか。
相談の内容を正しく理解できているか。
必要な情報を分かりやすく説明できているか。
契約後の工事や引き渡しまで責任を持って対応しているか。
こうした一つひとつの積み重ねが、最終的な売上につながります。

全員が数字を理解する仕組みを作る
年間ノルマを達成するためには、支店長だけが数字を把握していても意味がありません。
社員一人ひとりが、自分の現在地を理解する必要があります。
年間目標はいくらなのか。
現在までにどこまで達成しているのか。
残りの期間で、どの程度の売上が必要なのか。
その数字を明確にして、全員で共有しました。
ただし、目標に届いていない社員を一方的に責めることはしません。
なぜ結果が出ていないのかを一緒に考え、行動を修正していきます。
相談件数が少ないのか。
見積もり提出後の連絡が不足しているのか。
商品の説明が分かりにくいのか。
原因が分かれば、具体的な対策を立てられます。
個人競争ではなく、支店全体で達成する
営業の世界では、社員同士を競争させる方法がよく使われます。
競争が良い刺激になる場合もあります。
しかし、競争だけを強くすると、社員同士が情報を隠したり、困っている仲間を助けなくなったりすることがあります。
私は、個人の実績だけでなく、支店全体で目標を達成することを重視しました。
成績の良い社員が持っている知識や方法を、ほかの社員にも共有する。
難しい相談があれば、支店全体で解決方法を考える。
担当者が休みでも、お客様を待たせない。
こうした協力体制を作ることで、特定の社員だけに頼らない強い支店になりました。
その結果、部下6人全員が年間ノルマを達成し、半期の営業表彰では八王子支店の社員が1位から3位を占めることもありました。

支店長の仕事は、社員が力を出せる環境を作ること
支店長が一人で多くの契約を取っても、組織として安定した成果は続きません。
支店長の本当の仕事は、社員一人ひとりが自分の力を発揮できる環境を作ることです。
仕事の目的を伝える。
行動の基準を示す。
困ったときに相談できるようにする。
失敗したときは原因を一緒に考える。
成果が出たときは正当に評価する。
この繰り返しによって、社員は少しずつ自信を持つようになります。
20年間の達成は、特別な奇跡ではない
八王子支店が20年間ノルマを達成し続けられたのは、一人の天才的な営業社員がいたからではありません。
目標を全員で共有し、日々の行動を確認し、問題が起きたら早い段階で修正する。
そして、社員同士が支え合える環境を作る。
当たり前に見えることを、毎年、毎月、毎日、継続した結果です。
組織の成果は、偶然には続きません。
成果が続く組織には、必ず続けられる仕組みがあります。
支店長や管理職に求められるのは、自分が目立つことではありません。
社員が成長し、全員で結果を出せる仕組みを作ることです。
それが、私が八王子支店の運営を通じて学んだ、組織づくりの基本です。




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