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人生営業研究所 第20回 若い社員を叱る前に、管理者が確認すべきこと

人生営業研究所

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若い社員が仕事で同じ間違いを繰り返したり、期待したように動かなかったりすると、管理者はつい厳しく注意したくなるものです。

「前にも説明したはずだ」
「なぜ自分で考えて行動できないのか」
「もっと責任感を持ってほしい」

忙しい中で指導している管理者ほど、このような気持ちになるのは無理もありません。

しかし、若い社員を叱る前に、管理者が確認しなければならないことがあります。

それは、その社員だけに問題があると決めつける前に、仕事の教え方や職場の環境に問題がなかったかを振り返ることです。

1.叱ることが目的になっていないか

社員の間違いを注意することは、管理者にとって必要な仕事です。

しかし、注意する目的は、管理者の怒りや不満をぶつけることではありません。

本人に間違いの原因を理解してもらい、次は正しくできるようにすることが目的です。

感情的に叱るだけでは、若い社員の中に残るのは「怒られた」という記憶だけです。

何が間違っていたのか。
次はどうすればよいのか。

この二つが伝わらなければ、どれだけ厳しく叱っても、同じ間違いが繰り返される可能性があります。

管理者は叱る前に、「今から伝える言葉は、本人の成長につながるだろうか」と一度考える必要があります。

2.仕事の目的まで説明したか

管理者は仕事を指示するとき、作業の手順だけを説明してしまうことがあります。

「この資料を作っておいて」
「このお客様に電話をしておいて」
「今日中に報告書を提出しておいて」

しかし、若い社員は、その仕事をなぜ行うのかまで理解していないことがあります。

仕事の目的が分からなければ、状況が少し変わっただけで、どのように対応すればよいのか判断できません。

例えば、お客様への連絡一つでも、単なる確認なのか、信頼関係を維持するための大切な連絡なのかによって、話し方や準備は変わります。

仕事の目的を理解すると、社員は指示されたことだけでなく、その先を考えられるようになります。

「自分で考えて動けない」と叱る前に、考えるために必要な情報を管理者が伝えていたかを確認することが大切です。

3.本人が理解したことを確認したか

管理者が説明したことと、若い社員が理解したことは、必ずしも同じではありません。

管理者は長年の経験があるため、簡単な説明でも内容を理解できます。

しかし、経験の少ない社員にとっては、管理者が当たり前だと思っている言葉や手順が、初めて聞く内容かもしれません。

説明したあとに「分かったか」と聞けば、多くの若い社員は「分かりました」と答えます。

上司を前にして、「分かりません」と言いにくい社員もいるからです。

そこで管理者は、本人の言葉で説明してもらうことが必要です。

「今の説明を、どのように理解した?」
「最初に何をする?」
「分からなくなったら、誰に確認する?」

このように具体的に確認すれば、本人がどこまで理解しているのかが分かります。

説明したという事実ではなく、相手に正しく伝わったかどうかまで確認することが、管理者の責任です。

4.指示やルールが統一されているか

若い社員が間違える原因は、職場の指示が統一されていないことにもあります。

上司によって言うことが違う。
前回と今回で手順が変わっている。
ルールが口頭だけで、誰も正確に把握していない。

このような職場では、経験の少ない社員ほど混乱します。

昨日教わった方法で仕事をしたのに、今日は別の上司から「やり方が違う」と注意されれば、何を信じてよいのか分からなくなります。

若い社員を叱る前に、管理者同士の指示が統一されているか、業務の手順が分かりやすく整理されているかを確認する必要があります。

間違いを個人の責任だけにするのではなく、誰が担当しても同じように仕事ができる仕組みをつくることも、管理者の大切な仕事です。

5.質問しやすい雰囲気があるか

若い社員が分からないまま仕事を進めてしまうと、管理者は「なぜ確認しなかったのか」と注意します。

しかし、本人が質問できなかった理由も考えなければなりません。

上司がいつも忙しそうにしている。
質問すると嫌な顔をされる。
以前質問したときに、「そんなことも分からないのか」と言われた。

このような経験があると、社員は次第に質問しなくなります。

そして、自分なりの判断で仕事を進めた結果、大きな間違いにつながることがあります。

質問しやすい職場とは、何でもすぐに答えてもらえる職場ではありません。

分からないことを正直に伝え、確認すべきことを確認できる職場です。

管理者が「迷ったら、この段階で必ず相談してほしい」と伝えておくだけでも、社員は相談するタイミングを判断しやすくなります。

6.本人の能力に合った仕事を任せているか

社員を成長させるためには、少し難しい仕事に挑戦させることも必要です。

しかし、基礎を十分に教えないまま、いきなり大きな仕事を任せれば、失敗する可能性は高くなります。

その失敗を見て、「能力がない」と判断するのは適切ではありません。

まずは基本的な仕事を一人でできるようにする。
次に、少し判断が必要な仕事を任せる。
その後、本人の成長に合わせて責任の範囲を広げる。

このように段階を踏むことが大切です。

すべての社員が同じ速さで成長するわけではありません。

覚えるのに時間はかかっても、一度身につければ正確に仕事を続けられる社員もいます。

人と話すことは苦手でも、資料作成や細かな確認作業で力を発揮する社員もいます。

管理者には、できない部分だけを見るのではなく、その社員が力を発揮できる仕事や成長の方法を見つける視点が必要です。

7.注意するときは行動を具体的に伝える

社員を注意するときに、「やる気がない」「責任感がない」「社会人として駄目だ」と人格まで否定してはいけません。

本人は何を直せばよいのか分からず、自信だけを失ってしまいます。

注意する場合は、問題となった行動を具体的に伝えます。

「報告が遅れたことで、次の対応が遅くなった」
「お客様への確認をしなかったため、内容に行き違いが起きた」
「期限に間に合わないと分かった時点で、相談してほしかった」

このように、何が問題だったのか、その行動によってどのような影響が出たのか、次からどうすればよいのかを順番に説明します。

そして最後に、本人が理解したことを確認します。

注意とは、社員を傷つけるために行うものではありません。

正しい行動を身につけてもらうために行うものです。

8.管理者の役割は、失敗を成長につなげること

若い社員は、仕事を覚える過程で必ず失敗します。

管理者自身も、若い頃から一度も失敗せずに仕事を覚えたわけではないはずです。

大切なのは、失敗を放置することでも、失敗するたびに強く叱ることでもありません。

なぜ失敗したのかを一緒に確認し、次に同じことが起きない方法を考えることです。

社員の失敗は、本人の課題を知る機会であると同時に、職場の教え方や仕組みを見直す機会でもあります。

一人の社員が間違えた手順は、今後入社する社員も同じように間違える可能性があります。

そのたびに人を叱るのではなく、説明方法やマニュアルを改善すれば、職場全体の成長につながります。

まとめ

若い社員が思うように仕事をできないとき、管理者は本人の態度や能力だけに原因を求めがちです。

しかし、叱る前に確認すべきことがあります。

仕事の目的まで説明したか。
本人の理解を確認したか。
指示やルールは統一されているか。
質問しやすい雰囲気をつくっているか。
本人の成長段階に合った仕事を任せているか。

これらを確認したうえで、必要な注意を具体的に伝えることが大切です。

管理者の役割は、間違いを見つけて叱ることではありません。

社員が間違いから学び、次は自分の力で正しく行動できるように導くことです。

若い社員の失敗を「能力がない証拠」と考えるのか、「成長につなげる機会」と考えるのか。

その違いが、社員の将来だけでなく、職場全体の成長を左右するのです。

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