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人生営業研究所 第36回 営業成績の悪い部下と、私は何を話したのか

人生営業研究所

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前回、私は営業成績の悪い社員を、簡単には見放さなかったと書きました。

では、成績が悪い部下と実際にどんな話をしていたのか。

今日は、そのことを書きます。

営業成績が悪い社員を見ると、上司はつい結果だけを見てしまいます。

なぜ契約が取れないのか。
なぜ訪問件数が少ないのか。
なぜ他の社員と同じようにできないのか。

もちろん、数字を確認することは必要です。

しかし、数字だけを並べて問い詰めても、部下は前向きになりません。

むしろ、上司に会うこと自体が怖くなります。

私はまず、本人が今どこで止まっているのかを聞くようにしていました。

「今、一番やりにくいと思っていることは何だ?」

「お客様と会うまでが苦しいのか。それとも、会ってから話すのが苦しいのか?」

「自分では、どこがうまくいっていないと思う?」

こう聞くと、成績表だけでは見えないことが出てきます。

ある社員は、訪問そのものを嫌がっているのではありませんでした。

断られた後、次に何を話せばよいか分からず、怖くなっていたのです。

またある社員は、商品知識が足りないのではなく、お客様の前で自信を持って話せないことに悩んでいました。

問題は同じ「成績不振」でも、一人ひとり違います。

だから、上司が最初から答えを決めてはいけません。

「もっと頑張れ」では、何も変わりません。

「どこで困っているのか」を一緒に整理することが必要です。

そして、本人の話を途中で否定しないことも大切です。

営業なら断られて当たり前だ。
そんなことで落ち込むな。

上司としては、そう言いたくなる時もあります。

しかし、部下にとっては、その断られた一件が次の行動を止めていることがあります。

まずは、「そう感じているんだな」と受け止める。

その上で、では次にどうすれば少し動きやすくなるかを考える。

私は、面談の最後に大きな目標を決めることはしませんでした。

「今月中に必ず契約を取れ」と言っても、本人が動けなければ意味がありません。

代わりに、明日やることを一つだけ決めます。

今日は断られた理由を三件メモする。
明日は先輩の商談に一度同行する。
次の訪問では、最初の一言だけ変えてみる。

小さくても、自分でできる行動を決める。

それを次の面談で確認する。

できたことは認める。
できなかった時は、また理由を一緒に考える。

この繰り返しが、部下の自信につながります。

成績の悪い部下を育てることは、すぐに結果が出る仕事ではありません。

しかし、上司が部下の話を聞き、見放さず、次の一歩を一緒に考え続ける。

その姿勢は、必ず本人に伝わります。

そして、一人の社員が立ち直ることは、チーム全体にも良い影響を与えます。

上司の仕事は、数字だけを管理することではありません。

部下がもう一度、自分で前に進める状態をつくることです。

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