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一度ミスをした若い社員に、もう一度仕事を任せる。
その後、本人が工夫を重ね、仕事をやり遂げたとき、管理者はどのような言葉をかけているでしょうか。
「今回はできたな」
その一言だけでは、本人が何を改善し、どこを評価されたのかが伝わりません。
私は、営業や社員教育、組織の管理に携わる中で、評価とは結果に点数をつけるだけではなく、次の行動につながるものだと考えるようになりました。
ミスを指摘した管理者には、その後の変化を見つけ、伝える役割もあります。
結果だけでなく、改善した行動を見る
前回は報告が遅れた社員が、今回は早めに相談してきた。
説明を聞き流していた社員が、今回はメモを取り、分からない点を確認した。
提出前の確認が不足していた社員が、今回は自分で見直してから持ってきた。
こうした変化は、売上や成果の数字だけでは見えません。
しかし、安定して仕事を任せられるようになるための、大切な一歩です。
「今回は問題がなかった」で終わらせず、何を変えたから問題を防げたのかを見る。その視点が、管理者には必要です。
何がよかったのかを、具体的に伝える
「よく頑張った」という言葉も大切です。
ただ、それだけでは、次も何を続ければよいのかが曖昧になります。
例えば、次のように伝えます。
「今回は、判断に迷った段階で相談してくれたね。早く確認できたから、修正する時間が取れた」
「提出前に数字を見直したことがよかった。その確認は、次の仕事でも続けてほしい」
行動と、その行動が役立った理由を結びつけて伝える。
そうすれば、本人は「褒められた」で終わらず、自分の仕事の進め方を振り返ることができます。

過去のミスを、いつまでも評価に残さない
改善した社員に対して、
「でも、前にも失敗しているからな」
と繰り返していないでしょうか。
過去のミスから学ぶことと、過去のミスで相手を見続けることは違います。
本人が行動を変えているのに、管理者の見方が変わらなければ、「努力しても信用は戻らない」と感じさせてしまいます。
もちろん、一度うまくできたからといって、確認をすべてなくす必要はありません。
「今回はここまで自分でできた。次はこの部分も任せよう」
改善を認めながら、任せる範囲を少しずつ広げていく。信頼を戻す過程も、具体的に示すことが大切です。
本人の工夫を聞く
管理者が気づいたことを伝えるだけでなく、本人にも尋ねてみます。
「今回は、前と何を変えてみた?」
「どの確認が役に立った?」
「次も続けられそうなことは何かな?」
本人の答えから、表面には見えなかった準備や工夫が分かることがあります。
管理者がすべてを説明するのではなく、本人が自分の改善を言葉にする機会をつくる。
それも、自分で考えて仕事を進める力を育てる支援です。

評価を、次の仕事につなげる
改善を認めたあと、すぐに大きな責任を背負わせる必要はありません。
まずは、できるようになった部分を土台に、次の課題を一つ決めます。
「確認の手順は身についてきた。次は、締切から逆算して準備を始めてみよう」
「早めの相談ができた。次は、自分なりの対応案も一つ添えてみよう」
評価は、過去を振り返るだけのものではありません。
今できていることを確かめ、次に取り組むことを明確にするためのものです。
今回の要点
- 結果だけでなく、改善した行動を見る
- 何がよかったのか、理由とともに伝える
- 過去のミスだけで相手を評価し続けない
- 本人が工夫したことを聞く
- できたことを土台に、次の課題を一つ決める

今日の実践課題
最近ミスを指摘した社員を、一人思い浮かべてください。
その社員が、その後に変えた行動を見ていますか。
変化が見つかったら、
「〇〇を変えたことで、△△がよくなった」
と、具体的に伝えてみてください。
ミスをしたときだけ声をかける管理者ではなく、改善したときにも声をかける管理者になる。
人を育てる評価は、その積み重ねから始まると私は考えています。




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