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営業マンとして成果を上げることと、管理職として部下を育てることは、まったく違う仕事である。
私は営業未経験から仕事を始め、3年目にはトップセールスになることができた。
その後、支店長として約20名の部下を率いる立場になった。
そこで初めて、自分自身が成果を上げることよりも、人を育てることの方が難しい場合があると知った。
自分ができることを部下ができるとは限らない
営業マンだった頃は、自分の行動を変えることで結果を改善できた。
訪問件数を増やす。商談方法を見直す。顧客への提案内容を工夫する。
自分で考え、自分で実行することができた。
しかし、管理職になると事情は変わる。
部下には、それぞれ違った性格や能力がある。
積極的に行動する社員もいれば、慎重に物事を進める社員もいる。
顧客との会話が得意な社員もいれば、商品知識を活かした提案が得意な社員もいる。
自分の成功体験をそのまま教えても、全員が同じ結果を出せるわけではない。
部下の立場で考える
管理職に必要なのは、部下を自分と同じ営業マンにすることではない。
それぞれの能力を理解し、その人に合った成長方法を考えることである。
成果が出ない社員に対して、単純に努力不足だと決めつけてはいけない。
営業方法が分からないのかもしれない。
顧客対応に不安を感じているのかもしれない。
あるいは、仕事の進め方そのものに問題があるのかもしれない。
原因を理解しなければ、適切な指導はできない。
人を育てるには時間が必要である
社員の成長には個人差がある。
短期間で成果を上げる人もいれば、時間をかけて能力を発揮する人もいる。
管理職が目先の結果だけを求めれば、社員の可能性を十分に引き出せないことがある。
もちろん、企業には目標があり、管理職には成果を求められる責任がある。
だからこそ、短期的な売上と長期的な人材育成を両立させなければならない。
この二つを両立させることが、管理職の難しさであり、重要な役割でもある。
部下から学ぶことも多かった
管理職は部下を指導する立場である。
しかし、常に管理職だけが正しい答えを持っているわけではない。
現場で顧客と接している社員だからこそ気づく問題もある。
若い社員ならではの発想や、新しい営業方法が役に立つこともある。
部下の意見を聞くことで、管理職自身の考え方が変わることもある。
人を育てるという行為は、一方的に知識や経験を教えることではない。
相手を理解し、ともに成長していく過程でもある。

最後に
支店長から経営に携わる立場へと進む中で、人材育成は私にとって重要な仕事の一つになった。
組織の成果を上げるためには、人が育たなければならない。
そして、人を育てるためには、管理職自身も学び続ける必要がある。
部下を育てているつもりが、実は自分自身も部下から多くのことを学び、育てられていた。
今振り返ると、それが管理職として得た大切な財産だったように思う。



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