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新しく若い社員が入社すると、職場には新しい風が入ります。
管理者は、その社員に一日も早く仕事を覚えてもらい、戦力になってほしいと期待するでしょう。
しかし、若い社員を迎えたとき、最初にしなければならないことは、いきなり仕事を教えることではありません。
まず必要なのは、本人が安心して働ける環境をつくることです。
若い社員は期待と不安を抱えて入社してくる
新入社員は、希望だけを持って入社してくるわけではありません。
「職場の人たちとうまくやっていけるだろうか」
「仕事についていけるだろうか」
「失敗したら、強く叱られるのではないか」
「自分はこの会社に受け入れてもらえるだろうか」
このような不安を抱えながら、初日を迎えています。
管理者から見れば、毎日過ごしている慣れた職場です。しかし、新しく入った社員にとっては、人間関係も仕事の進め方も分からない未知の場所です。
だからこそ、最初に必要なのは仕事の説明よりも、「あなたを仲間として迎えています」という姿勢を示すことなのです。
管理者自身が迎える
新しい社員を迎える仕事を、人事担当者や先輩社員だけに任せてはいけません。
管理者自身が声をかけ、自己紹介をして、入社してくれたことへの感謝と期待を伝える必要があります。
「今日から一緒に働けることを楽しみにしていました」
「分からないことがあれば、遠慮なく聞いてください」
「最初から完璧にできる人はいないので、焦らなくて大丈夫です」
このような言葉があるだけで、新入社員の緊張は大きく和らぎます。
反対に、管理者が忙しそうにして挨拶もしなければ、新入社員は「自分は歓迎されていないのではないか」と感じてしまいます。
最初に受けた印象は、その後の会社に対する信頼に大きく影響します。

仕事だけでなく、職場のルールを具体的に説明する
長く働いている社員にとって当たり前のことでも、新入社員には分かりません。
誰に報告すればよいのか。
困ったときは誰に相談すればよいのか。
休憩はいつ、どこで取るのか。
電話やメールには、どのように対応するのか。
失敗したときは、どの段階で報告すればよいのか。
こうした職場の基本的なルールを、管理者や教育担当者が具体的に説明する必要があります。
「見て覚えればよい」
「分からなければ自分から聞けばよい」
そのような考え方では、新入社員は何を質問すればよいのかさえ分かりません。
教えていないことを、できないからといって叱るのは、管理者の責任を社員に押しつけているだけです。
教育担当者を明確にする
複数の先輩社員が、それぞれ違う方法で仕事を教えると、新入社員は混乱します。
ある先輩からは「この方法でやって」と言われ、別の先輩からは「そのやり方は違う」と言われる。
これでは、若い社員は誰の指示に従えばよいのか分からなくなります。
管理者は、主となる教育担当者を決めなければなりません。
そのうえで、何を、いつまでに、どの程度できるようになってもらうのかを、教育担当者と共有します。
教育を一人の担当者に押しつけるのではなく、管理者も進み具合を確認し、必要な支援を行うことが重要です。

最初から結果だけを求めない
経験豊富な管理者や先輩社員にとって簡単な仕事でも、初めて取り組む若い社員には難しいものです。
一度説明しただけで理解できるとは限りません。
説明を聞いて理解することと、実際に一人でできることは違います。
最初は仕事の速さよりも、正しい手順を身につけることを優先すべきです。
できなかったことだけを指摘するのではなく、できるようになったことを認める。
昨日より成長した部分を伝える。
小さな成功を積み重ねさせる。
その積み重ねが、本人の自信と仕事への意欲を育てます。
定期的に短い面談を行う
新入社員は、困っていても自分から相談できないことがあります。
「こんなことを聞いたら、能力がないと思われるのではないか」
「忙しそうなので、声をかけにくい」
そう考えて、悩みを抱え込んでしまうのです。
管理者は、入社後しばらくの間、定期的に短い面談の時間を設ける必要があります。
「仕事で分からないことはないか」
「職場で困っていることはないか」
「教え方や仕事の量に無理はないか」
このように管理者から尋ねることで、本人は相談しやすくなります。
問題が大きくなってから対応するのではなく、小さな違和感の段階で気づくことが大切です。

若い社員を育てることは、職場全体を見直すこと
若い社員が仕事を覚えられないとき、本人の能力や意欲だけを問題にしてはいけません。
教え方が人によって違っていないか。
仕事の手順が曖昧になっていないか。
質問しにくい雰囲気になっていないか。
失敗を責めるだけの職場になっていないか。
新入社員のつまずきは、職場が抱えている問題を映し出すことがあります。
若い社員を育てる過程は、これまでの仕事の進め方や人間関係を見直す機会でもあるのです。
まとめ
新しく若い社員を迎えたとき、管理者が最初にしなければならないことは、すぐに成果を求めることではありません。
安心して質問でき、失敗を報告でき、自分は職場の一員として受け入れられていると感じられる環境をつくることです。
社員は、採用しただけでは育ちません。
誰が、どのように迎え、教え、支えていくのか。
そこまで考えて初めて、採用は人材育成へとつながります。
若い社員が長く働き、会社の将来を担う人材に成長できるかどうか。
その最初の分かれ道は、入社した社員の側ではなく、迎える管理者の姿勢にあるのです。



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