SHIN LIFE DESIGNN

約30年間、私は営業という仕事に携わってきた。
最初から営業の仕事に自信があったわけではない。営業未経験からの出発だった。
商品知識も営業技術も十分ではなく、何をどうすれば成果につながるのか、分からないことばかりだった。
しかし、営業という仕事は、経験を重ねるほど奥が深いものであることを知った。
営業の世界で学んだこと
営業の仕事には、必ず数字がついて回る。
売上目標、契約件数、達成率。
成果を上げれば評価され、結果が出なければ厳しい現実に直面する。
私自身も営業の世界に入り、3年目にはトップセールスになることができた。
だが、今振り返ってみると、営業で成果を上げたこと以上に大切なものを、この仕事から教えられたように思う。
それは、人を理解することの難しさである。
同じ商品を説明しても、顧客によって受け止め方は違う。
同じ提案をしても、契約につながる場合もあれば、そうでない場合もある。
営業とは、単に商品を販売する技術ではない。
相手が何を考え、何を求め、何に不安を感じているのかを理解しようとする仕事でもある。
営業マンから管理職へ
営業として成果を上げた後、私は支店長として約20名の部下を率いる立場になった。
ここで、それまでとは違う難しさに直面することになる。
自分自身が売上を上げることと、部下に成果を上げてもらうことは、まったく別の仕事だった。
自分ができることを、他人も同じようにできるとは限らない。
仕事への考え方も、性格も、得意分野も、それぞれ違う。
部下を育てるためには、まず相手を理解する必要がある。
営業時代に顧客から学んだことが、管理職になってからも重要だったのである。
経営に携わって見えたもの
その後、取締役部長、常務取締役、専務取締役という立場を経験した。
役職が変われば、求められる責任も変わる。
個人の営業成績だけではなく、組織全体の成果、人材の育成、会社の将来について考えなければならない。
企業の成長には、優秀な営業マンが必要である。
しかし、それだけでは十分ではない。
社員一人ひとりが能力を発揮できる環境を整え、組織として成果を上げられる仕組みをつくることが必要になる。
会社というものは、経営者一人の力だけで成り立つものではない。
現場で働く社員、顧客を支える担当者、組織をまとめる管理職。
多くの人の力が積み重なって、初めて会社は動いていく。
約30年の営業人生を振り返って
長い営業人生の中には、嬉しいことも苦しいこともあった。
成果を上げた喜びもあれば、人間関係や仕事の責任に悩んだこともある。
営業という仕事を選ばなければ、違う人生を歩んでいたのかもしれない。
しかし、営業を通じて出会った人々や、仕事から学んだ経験は、今でも私の中に残っている。
営業という仕事は、決して楽な仕事ではない。
それでも、人と向き合い、信頼を築き、成果を生み出す経験には、大きな価値があったと思う。
そして何より、営業という仕事は、人間そのものを学ぶ仕事だった。

最後に
今、人生の後半を迎え、改めて自分の歩んできた道を振り返っている。
若い頃は、仕事で成果を上げることが人生の大きな目標だった。
しかし、年齢を重ね、さまざまな経験をした今では、仕事の成果だけが人生の価値ではないと考えるようになった。
営業という仕事に約30年間携わったこと。
多くの人と出会い、さまざまな経験を重ねたこと。
それらは、私にとって大切な人生の一部である。
営業とは商品を売る仕事である。しかし、私にとって営業とは、人を知り、社会を知り、そして自分自身を知るための仕事でもあった。
これが、約30年の営業人生を振り返って、今、最初に伝えておきたいことである。



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