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前回は、若い社員に少し難しい仕事を任せるときの考え方についてお話ししました。
仕事を任せたあと、上司にはもう一つ大切な役割があります。
それは、任せた社員をどのように見守るかということです。
任せた直後から口を出しすぎない
若い社員に仕事を任せると、上司はどうしても途中経過が気になります。
「順調に進んでいるだろうか」
「間違った方向へ進んでいないだろうか」
心配するあまり、細かく指示を出したり、自分で仕事を引き取ったりする上司もいます。
しかし、それでは社員は自分で考えることができません。
任せると決めた以上、すぐに口を出さず、まず本人に考えさせることが大切です。
放任と見守ることは違う
仕事を任せることは、放っておくことではありません。
「任せたのだから、あとは自分でやりなさい」
このような姿勢では、社員は不安を抱えたまま仕事を進めることになります。
大切なのは、必要なときに相談できる環境を作ることです。
たとえば、仕事を任せるときに、
「迷ったら、いつでも相談していい」
「この段階まで進んだら、一度報告してほしい」
と伝えておきます。
相談や確認のタイミングが明確であれば、社員も安心して挑戦できます。

途中で確認するポイントを決める
仕事の最後まで報告を待っていると、大きな失敗につながることがあります。
反対に、毎日のように細かく確認すると、社員は監視されているように感じます。
そこで、仕事を任せる段階で、途中確認のポイントを決めておきます。
「最初の案ができたとき」
「お客様へ提出する前」
「予定の半分まで進んだとき」
このように確認するタイミングを決めれば、上司は安心して見守ることができます。
社員にとっても、どこまで自分で判断してよいのかが分かりやすくなります。
失敗を責める前に、考え方を聞く
若い社員が失敗したとき、すぐに叱ってはいけません。
まずは、
「なぜ、そのように判断したのか」
「どの段階で迷ったのか」
「次に同じ仕事をするとしたら、どうするか」
と聞いてみます。
失敗の結果だけではなく、そこに至った考え方を確認することが大切です。
本人が考えて行動した結果の失敗なら、それは成長につながる経験になります。
上司が答えを教えるだけではなく、本人に次の改善策を考えさせることで、判断力が身についていきます。

できた部分を具体的に伝える
仕事がすべて完璧でなくても、できた部分は必ず認めます。
「お客様への説明は分かりやすかった」
「期限を意識して進めた点はよかった」
「途中で相談してくれたので、大きな問題にならなかった」
このように具体的に伝えることで、社員は自分の成長を実感できます。
ただ「よく頑張った」と言うだけでは、何が評価されたのか分かりません。
良かった点と改善する点を分けて伝えることが、次の成長につながります。
上司が我慢することで、人は育つ
仕事のできる上司ほど、自分でやったほうが早いと感じます。
実際に、上司が担当すれば、短時間できれいに仕上がるかもしれません。
しかし、いつまでも上司が仕事を引き取っていては、若い社員は育ちません。
多少時間がかかっても、本人に考えさせ、最後まで取り組ませる。
必要なところだけ支え、できたときには正当に評価する。
この積み重ねによって、社員は少しずつ自信を持ち、自分で判断できるようになります。
任せることは、仕事を渡すだけではありません。
相手の可能性を信じ、成長する時間を与えることです。
上司が適切な距離で見守ることが、次の世代を育て、強い組織を作ることにつながるのです。




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