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人生営業研究所 第12回 数字が足りない部下に、私が最初に聞いていたこと

人生営業研究所

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営業部門では、売上目標に届いていない社員に対して、つい原因を問い詰めたくなることがあります。

「なぜ売れていないのか」

「もっと訪問できないのか」

「本当に努力しているのか」

しかし、このような言葉を重ねても、売上が伸びるとは限りません。

部下は自分を守ることに意識が向き、本当の問題を話せなくなるからです。

私が八王子支店長を務めていた頃、売上が目標に届いていない社員に対して、最初から「なぜ売れないのか」とは聞きませんでした。

私が最初に聞いていたのは、

「今、どの案件が止まっているのか」

ということでした。

売上の数字だけを見ても原因は分からない

売上が目標の30%しか進んでいない。

その数字だけを見れば、活動が足りないように思えるかもしれません。

しかし、実際の状況は一人ひとり違います。

訪問件数が不足している社員もいれば、見積書を提出した後、お客様からの返事を待っている社員もいます。

お客様の希望は確認できていても、家族の意見がまとまらず、商談が止まっている場合もあります。

また、どのように次の連絡をすればよいのか分からず、一人で悩んでいる社員もいました。

売上という最終的な数字だけでは、どこに問題があるのかまでは分かりません。

だから私は、結果を責める前に、仕事の流れのどこで止まっているのかを確認していました。

「なぜ売れない」ではなく「何が止まっている」

「なぜ売れないのか」と聞かれると、部下は言い訳を求められているように感じます。

一方で、

「現在進んでいる案件は何件あるのか」

「見積書を提出したお客様は何組いるのか」

「次に連絡する予定は決まっているのか」

「困っている商談はないか」

と具体的に聞けば、状況を一緒に整理できます。

大切なのは、部下を追い詰めることではありません。

何が止まっているのかを見つけ、次に取るべき行動を明確にすることです。

部下の説明を最後まで聞く

支店長になると、多くの経験を積んでいるため、部下の話を途中まで聞いただけで答えが分かったような気になることがあります。

しかし、そこで話を遮り、自分の考えを押し付けてしまうと、部下は自分で考えなくなります。

私は、できる限り本人の説明を最後まで聞くようにしていました。

話を聞いていくと、売上が進まない理由が営業技術だけではないことも分かります。

お客様への連絡をためらっている。

失敗を恐れて次の提案ができない。

他の仕事を抱えすぎて、優先順位を決められない。

本人が抱えている問題を理解しなければ、正しい助言はできません。

営業管理には数字が必要です。

しかし、数字の向こう側にいる人を見ることも、同じくらい重要です。

今日できる行動を一緒に決める

問題が分かったら、その場で大きな目標を与えるのではなく、まず今日できる行動を決めます。

例えば、

「見積書を提出した3件のお客様へ連絡する」

「返事を待っている案件の状況を確認する」

「一人で悩んでいる商談を支店長に相談する」

「今週訪問するお客様の順番を決める」

といった、具体的な行動です。

「今月中に1,200万円を達成する」という目標だけでは、今日何をすればよいのか分かりません。

大きな目標を、その日に実行できる小さな行動へ変える。

それが管理者の役割だと私は考えていました。

必要であれば支店長も一緒に動く

部下に指示を出すだけで、すべてが解決するわけではありません。

重要な商談で提案方法に迷っているなら、一緒に内容を考える。

お客様への説明が難しい案件であれば、必要に応じて支店長も同行する。

仕事が集中している社員がいれば、優先順位を一緒に整理する。

管理者は、高い場所から数字を確認するだけの存在ではありません。

現場で何が起きているのかを理解し、必要なときに支える存在でなければならないと思います。

もちろん、部下自身が考えて行動することも必要です。

すべてを管理者が代わりに行ってしまえば、人は育ちません。

本人に任せる部分と、管理者が支援する部分を見極めることが大切です。

数字は部下を助けるために使う

売上進捗表やグラフは、社員の優劣を決めるためだけのものではありません。

誰が困っているのか。

どの案件が止まっているのか。

どこに支援が必要なのか。

それを早く見つけるための道具です。

数字が不足している社員を責めても、売上は生まれません。

数字を手がかりに対話し、問題を見つけ、次の行動を一緒に決める。

その積み重ねによって、部下は少しずつ自分で状況を整理できるようになります。

まとめ

売上目標に届いていない部下に対して、私が最初に聞いていたのは「なぜ売れないのか」ではありません。

「今、何が止まっているのか」

この質問から始めていました。

数字は、人を責めるために使えば恐怖になります。

しかし、現在地を確認し、困っている人を支えるために使えば、前へ進むための道しるべになります。

管理者の仕事は、結果だけを評価することではありません。

部下が次に何をすればよいのかを一緒に考え、自分の力で前へ進めるように支えることです。

私は今でも、数字を管理するということは、人を管理することではなく、人の行動を助けることだと考えています。

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