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人生営業研究所 第14回 部下が失敗したとき、管理者はどう対応するべきか

人生営業研究所

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部下が失敗したとき、管理者が最初にするべきことは、叱ることではありません。

まず何が起きたのかを確認し、被害や影響が広がらないように対処することです。

失敗した本人を責めても、起きてしまった問題は解決しません。

管理者に求められるのは、「誰が悪いのか」を追及することではなく、「どうすれば立て直せるのか」を考えることです。

私は八王子支店長として、20名以上の社員やスタッフをまとめていました。

営業活動をしていれば、報告漏れ、連絡の遅れ、見積もりの間違い、お客様との認識違いなど、さまざまな失敗が起こります。

そのたびに私が意識していたのは、部下を萎縮させるのではなく、失敗を次の成長につなげることでした。

失敗の報告を受けたときに、最初に確認すること

部下から失敗の報告を受けたとき、管理者が感情的になってはいけません。

最初に確認するのは、次の三点です。

  1. 何が起きたのか
  2. お客様や会社にどのような影響があるのか
  3. 今すぐ対応しなければならないことは何か

ここで大切なのは、部下の言い訳を責めることではありません。

事実関係を整理し、問題をこれ以上大きくしないことが最優先です。

お客様への連絡が必要なら、すぐに連絡する。

見積もりの修正が必要なら、正しい内容を確認して作り直す。

他部署への報告が必要なら、管理者が責任を持って調整する。

失敗した部下への指導は、問題が落ち着いてからでもできます。

「なぜ失敗した」だけでは部下は育たない

失敗した部下に対して、

「なぜ、こんなことをしたんだ」

「どうして確認しなかったんだ」

と繰り返しても、本人は責められていると感じるだけです。

もちろん、失敗した原因を確認することは必要です。

しかし、本当に考えなければならないのは、「次に同じ失敗をしないために何を変えるか」です。

私は部下に、次のように質問するようにしていました。

「どの段階で確認していれば防げただろうか」

「次からは、どのような手順にすればよいと思うか」

「一人では判断できないとき、誰に相談すればよいか」

管理者が一方的に答えを与えるのではなく、本人にも改善方法を考えてもらいます。

自分で考えて決めた対策のほうが、次の行動につながりやすいからです。

部下の失敗は、管理者自身を見直す機会でもある

部下が失敗すると、本人だけの責任だと考えがちです。

しかし、管理者にも確認しなければならないことがあります。

指示の内容は分かりやすかったか。

必要な情報をきちんと伝えていたか。

経験の少ない社員に、難しい仕事を任せきりにしていなかったか。

相談しやすい雰囲気をつくっていたか。

確認する仕組みはあったか。

同じような失敗が複数の社員に起きているなら、それは個人の問題ではなく、会社や部署の仕組みに問題がある可能性があります。

管理者が「部下の注意不足」で終わらせてしまえば、別の社員が同じ失敗を繰り返します。

失敗を仕組みの改善につなげることも、管理者の仕事です。

管理者が部下の前で責任から逃げてはいけない

部下の失敗によってお客様に迷惑をかけた場合、管理者が前に出なければならない場面があります。

そのとき、お客様の前で、

「担当者が間違えました」

「部下の確認不足です」

と言って、責任を部下に押しつけてはいけません。

お客様から見れば、担当者も管理者も同じ会社の人間です。

私は管理者として、まず会社側の責任として謝罪し、問題を解決することを優先しました。

そのうえで社内に戻ってから、本人と原因や改善策を話し合います。

管理者が責任を引き受ける姿を見せることで、部下は守られていると感じます。

ただし、失敗を何でも許すという意味ではありません。

守ることと、甘やかすことは違います。

問題から逃げずに向き合い、同じ失敗を繰り返さないよう指導するところまでが管理者の責任です。

報告の遅れを生むのは「失敗」への恐怖である

失敗そのものより、報告が遅れたことで問題が大きくなる場合があります。

部下が報告をためらう原因の一つは、管理者に叱られることへの恐怖です。

失敗するたびに大声で叱られる職場では、社員は事実を隠そうとします。

「もう少し自分で何とかしてから報告しよう」

「黙っていれば気づかれないかもしれない」

そう考えている間に、お客様への対応が遅れ、取り返しのつかない問題になります。

私は、悪い報告ほど早く持ってくるように伝えていました。

早く報告してくれれば、管理者も一緒に対応できます。

報告したこと自体を責めず、「早く知らせてくれてありがとう」と受け止めることも必要です。

安心して報告できる職場をつくることは、会社を大きな損失から守ることにもつながります。

失敗しない社員ではなく、失敗から学べる社員を育てる

仕事をしていれば、失敗を完全になくすことはできません。

新しいことに挑戦する社員ほど、失敗する可能性も高くなります。

一度も失敗しない社員をつくろうとすれば、社員は指示されたことしかやらなくなります。

大切なのは、失敗したあとに何を学び、次の行動をどう変えるかです。

管理者が部下の失敗を責めるだけなら、部下には恐怖しか残りません。

一緒に原因を整理し、改善方法を考えれば、失敗は成長の材料になります。

私自身も、営業や管理の仕事で多くの失敗を経験してきました。

その経験があったからこそ、部下が失敗したときも、失敗した事実だけでその人を判断しないようにしていました。

まとめ

部下が失敗したとき、管理者がするべきことは、次の五つです。

  1. 感情的に叱る前に、事実を確認する
  2. お客様や会社への影響を最小限に抑える
  3. 本人と一緒に原因と改善策を考える
  4. 管理方法や仕事の仕組みに問題がなかったか見直す
  5. 部下が悪い報告ほど早くできる職場をつくる

部下の失敗にどう対応するかによって、管理者の本当の力が表れます。

失敗した人を追い詰めることは簡単です。

しかし、その人がもう一度前を向き、同じ失敗を繰り返さず、成長できるように支えることは簡単ではありません。

だからこそ、それが管理者の大切な仕事なのです。


【前回の記事はこちら】

人生営業研究所 第11回 売上目標は「叱るための数字」ではない

【次回予告】

次回は、「部下への仕事の任せ方」をテーマにお伝えします。

任せることと、丸投げすることは違います。部下の成長につながる仕事の任せ方について、八王子支店長時代の経験からお話しします。

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