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営業の世界では、どうしても数字で人を判断しがちです。
売れている社員は「優秀」。
売れていない社員は「能力がない」。
しかし、私は八王子支店長として多くの営業社員を見てきて、そんな単純なものではないと感じていました。
営業成績が悪い社員にも、必ず理由があります。
私は、数字だけを見て社員を評価するのではなく、
「なぜ、この社員は売れないのか」
を考えることを大切にしていました。
売れない理由は、人によって違う
営業成績が悪い社員に対して、
「もっと訪問しろ」
「もっと電話しろ」
「気合いが足りない」
と言うだけなら簡単です。
しかし、それで本当に売れるようになるでしょうか。
お客様との最初の会話が苦手なのかもしれない。
商品の説明はできても、お客様の話を聞けていないのかもしれない。
断られることが怖くなっているのかもしれない。
あるいは、仕事の進め方そのものが分からなくなっているのかもしれません。
原因が違えば、当然、教え方も変わります。

私が最初にやったのは「観察」だった
私は、成績の悪い社員にいきなり答えを与えることはしませんでした。
まず、その社員が普段どのように仕事をしているのかを見ます。
お客様への電話。
商談の進め方。
報告の仕方。
見積書の作り方。
そして、仕事に対する本人の考え方。
そこを見ていくと、数字だけでは分からなかった問題が見えてきます。
逆に、
「この社員には、こんな良いところがあったのか」
と気づくこともあります。
上司の仕事は、欠点を探すことだけではありません。
本人も気づいていない強みを見つけることも、上司の大切な仕事です。
全員を同じ営業マンにする必要はない
営業には、人それぞれのスタイルがあります。
話すことが得意な人。
聞くことが得意な人。
お客様との関係を時間をかけて築く人。
商品知識を武器にする人。
私は、全員を私と同じ営業マンにしようとは考えませんでした。
その社員が持っている長所を見つけ、
「この人なら、どういう営業をすれば結果を出せるのか」
を一緒に考える。
それが支店長としての私の仕事だと考えていました。

「売れない社員」ではなく「まだ売り方を見つけていない社員」
今振り返ってみても、営業社員を育てるうえで大切なのは、ここだったと思います。
現在の数字だけを見れば、成績の悪い社員は確かにいます。
しかし、それだけでその人の可能性まで決める必要はありません。
その社員に合った方法を見つける。
小さな成功を経験させる。
成功した理由を本人と一緒に考える。
そして、もう一度やらせてみる。
その積み重ねによって、人は少しずつ変わっていきます。
八王子支店で部下6名全員が年間ノルマを達成できた背景には、特別な営業テクニックだけがあったわけではありません。
一人ひとりを見て、その人に合った育て方を考える。
私は、それを繰り返していました。
次回予告
人生営業研究所 第36回
「売れない営業社員に、最初の成功体験をどう作らせたのか」
次回は、営業社員が自信を取り戻すために、私がどのように「最初の一件」を作らせていたのかを書いていきます。



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