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私が勤めていた須藤石材には、全国に約30の支店がありました。
その中で八王子支店は、単に売上の大きな支店というだけではありませんでした。
会社全体の業績を支え、人材を育て、営業の新しい形を示す役割を担っていたと私は考えています。
年間売上8億円から10億円を超える支店へ
私が支店長に就任する前、八王子支店の年間売上は約8億円でした。
決して小さな数字ではありません。しかし、営業の進め方や社員の育成方法、仕事の管理体制を見直せば、さらに成長できる余地があると私は考えました。
そこで、営業活動を個人任せにせず、支店全体でお客様への対応方法や商談の進み具合を共有する仕組みを作りました。
社員一人ひとりの状況を把握し、問題が起きてから対応するのではなく、問題が起きる前に支援することを徹底しました。
その結果、八王子支店の年間売上は10億円を超え、約30支店の中でトップになりました。
会社全体の売上を支える役割
八王子支店には、毎年大きな売上目標が課されていました。
目標が大きいということは、それだけ会社全体から期待されているということです。同時に、八王子支店が目標を達成できなければ、会社全体の業績にも大きな影響が出ます。
私は支店長として、単に自分の支店だけを見ていたわけではありません。
八王子支店が確実に目標を達成し、会社全体の売上を支えることが重要だと考えていました。
その責任を果たすため、売上の数字だけではなく、契約後の工程、在庫、社員の行動、お客様からのクレームまで、支店運営全体を管理しました。
その結果、八王子支店は20年間、一度も年間売上目標を下回りませんでした。

一人のトップ営業に頼らない組織
売上の高い支店というと、優秀な営業社員が一人で数字を作っていると思われるかもしれません。
しかし、八王子支店が目指したのは、一人のトップ営業に頼る組織ではありませんでした。
営業社員全員が、自分の目標を達成できる組織です。
社員ごとの得意分野や課題を把握し、商談の進め方、見積もりの作り方、お客様への説明方法を具体的に指導しました。
その結果、部下6人全員が年間ノルマを達成し、半期の営業表彰では1位から3位までを八王子支店の社員が独占しました。
この成果は、一人の力ではありません。
社員全員が同じ方向を向き、お互いを支えながら仕事を進めた結果です。
人材を育て、会社へ送り出す
八王子支店の役割は、売上を作ることだけではありませんでした。
若い社員や営業未経験者を採用し、一から育てることも大切な役割でした。
私は、最初から完成された営業社員を求めるのではなく、素直に学び、成長できる人材を採用しました。
仕事の基本から、お客様との信頼関係の作り方、契約後の責任まで、時間をかけて教えました。
人材が育てば、その社員は八王子支店だけでなく、将来は会社全体を支える存在になります。
支店は売上を作る場所であると同時に、人材を育てる場所でもあるのです。

他支店と比較して見えた違い
会社が船井総合研究所へ経営調査を依頼した際、さいたま支店、千葉支店、八王子支店などの状況が比較されました。
その調査の中で、八王子支店について「同じ会社とは思えない」という趣旨の評価がありました。
同じ会社の商品を扱い、同じ看板を掲げていても、支店長の考え方や社員の育て方、仕事の進め方によって、組織は大きく変わります。
八王子支店の成果は、地域や偶然に恵まれただけではありません。
営業、人材育成、顧客対応、工程管理を一つの仕組みとして動かしてきた結果です。
支店は小さな会社である
私は、支店長は単なる営業責任者ではないと考えています。
支店の売上を作り、人を採用して育て、経費を管理し、お客様からの信頼を守る。
これは、小さな会社を経営することと同じです。
そして、各支店が自分たちの役割を果たすことで、会社全体が成長します。
八王子支店は、会社全体の売上を支える主力支店であり、人材を育てる場所であり、組織の作り方を成果で示す支店でした。
私が八王子支店で学んだのは、優れた組織とは、一人の優秀な人間によって作られるものではないということです。
社員一人ひとりが力を発揮できる仕組みを作り、全員で目標を達成する。
それが、会社全体の中で支店が果たすべき本当の役割だと、私は考えています。




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