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人生営業研究所 第19回 若い社員の「できない」を「成長の途中」と考える

人生営業研究所

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新しく入社した若い社員に仕事を教えていると、思うようにできない場面が何度も出てきます。

一度説明したことを忘れてしまう。

同じような間違いを繰り返す。

指示を待ってしまい、自分から動けない。

管理者は、忙しい仕事の中で指導しているため、つい「なぜ、こんなこともできないのだろう」と思ってしまうことがあります。

しかし、若い社員の「できない」は、能力がないという意味ではありません。

多くの場合、まだ経験していない、理解するための材料が足りない、仕事の進め方に慣れていないという、成長の途中にいるだけなのです。

最初からできる社員はいない

管理者自身も、初めて仕事をしたときから、すべてを問題なくできたわけではないはずです。

先輩に何度も質問したり、失敗して注意されたり、お客様に迷惑をかけて落ち込んだりしながら、少しずつ仕事を覚えてきたのではないでしょうか。

長年仕事を続けていると、できることが当たり前になり、できなかった頃の自分を忘れてしまうことがあります。

しかし、若い社員を育てるときには、管理者自身が新人だった頃を思い出すことが大切です。

今は仕事ができない社員も、経験を積み、正しい指導を受けることで、将来は職場を支える存在になる可能性があります。

現在の姿だけで、その社員の将来を決めつけてはいけません。

失敗は成長するための材料になる

仕事を覚える過程では、失敗を完全になくすことはできません。

大切なのは、失敗したことだけを責めるのではなく、その経験から何を学ばせるかです。

「どうして間違えたんだ」

「前にも教えただろう」

このような言葉だけでは、本人には注意されたという記憶しか残りません。

失敗を恐れるようになり、分からないことがあっても質問できなくなる可能性もあります。

管理者が伝えるべきなのは、次に同じ場面があったとき、どうすれば間違いを防げるのかという具体的な方法です。

「次からは、この項目を確認してから進めよう」

「分からないときは、ここまで自分で調べてから相談しよう」

このように次の行動を明確にすれば、失敗は成長するための材料に変わります。

失敗そのものよりも、失敗したあとに何を学び、どのように行動を変えたかを見ることが大切です。

小さな進歩を見つける

若い社員の成長は、目に見える大きな成果だけに表れるものではありません。

昨日よりも報告が早くなった。

電話で落ち着いて話せるようになった。

自分から質問できるようになった。

同じ間違いをしないためにメモを取るようになった。

このような小さな変化も、立派な成長です。

管理者がその変化に気づき、言葉にして伝えることで、本人は自分の成長を実感できます。

「前よりも説明が分かりやすくなったね」

「確認してから進められるようになったね」

「今日は自分から報告できたね」

短い言葉でも、認められた経験は若い社員の自信になります。

人は、自分の成長を見てくれている人がいると感じると、もう一歩前へ進もうと思えるものです。

他の社員と比べない

社員の成長する速さは、一人ひとり違います。

すぐに仕事を覚える人もいれば、時間をかけて理解する人もいます。

一度で覚えられる人もいれば、何度か経験することで確実に身につける人もいます。

そのため、「同期の人はもうできている」「○○さんはすぐに覚えた」という比較は、できるだけ避けるべきです。

他人と比較されると、本人は仕事の内容よりも、自分は劣っているという気持ちにとらわれてしまいます。

比べるのであれば、他の社員ではなく、その社員自身の過去と比べます。

入社したときより何ができるようになったのか。

先週よりどこが改善されたのか。

昨日できなかったことが、今日はできるようになったのか。

本人の中にある変化を見つけることが、成長を支える指導につながります。

注意するときこそ可能性を伝える

若い社員を育てるためには、褒めるだけではなく、注意しなければならない場面もあります。

仕事である以上、守るべきルールや改善すべき行動を曖昧にすることはできません。

ただし、注意することと、本人の人格を否定することは違います。

「あなたは仕事に向いていない」

「何をやっても駄目だ」

このような言葉は、改善すべき行動ではなく、その人自身を否定してしまいます。

注意するときは、何が問題だったのか、なぜ改善が必要なのか、次にどう行動すればよいのかを具体的に伝えます。

そして最後に、「あなたなら次はできると思っている」という期待を示すことが大切です。

厳しいことを伝えるときにも、管理者が自分の可能性を信じてくれていると分かれば、本人は前向きに受け止めやすくなります。

管理者の言葉が社員の未来を変える

若い社員は、管理者が思っている以上に、管理者の言葉や態度をよく見ています。

何気なく言った一言が自信につながることもあれば、長く心に残る傷になることもあります。

「まだできない」と考えるのか。

「これからできるようになる」と考えるのか。

同じ状況でも、管理者の見方によって、かける言葉は変わります。

そして、その言葉によって、若い社員が自分自身に持つ印象も変わっていきます。

管理者が可能性を信じれば、本人も自分の可能性を信じられるようになります。

すぐに結果が出なくても、正しい方向へ努力していることを認め、成長を待つ姿勢が必要です。

人を育てることは職場の未来をつくること

社員を育てる仕事は、すぐに成果が表れるものではありません。

同じことを何度も伝えなければならないこともあります。

期待したように成長せず、管理者が迷うこともあるでしょう。

それでも、一人の社員が仕事を覚え、自信を持ち、自分から行動できるようになったとき、その成長は職場全体に良い影響を与えます。

かつて教えられていた社員が、やがて後輩を教える立場になることもあります。

自分が大切に育ててもらった経験があれば、その社員も次の世代を大切に育てるでしょう。

人を育てることは、目の前の仕事を教えるだけではありません。

会社の考え方や人を大切にする姿勢を、次の世代へ引き継ぐことでもあります。

若い社員の「できない」を、現在の評価だけで終わらせてはいけません。

それは「これからできるようになるための途中」です。

小さな進歩を見つけ、失敗を学びに変え、本人の可能性を信じる。

その積み重ねが、社員を成長させ、職場の未来をつくります。

社員の可能性を信じられる管理者こそ、人と組織を成長させることのできる管理者なのです。

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